Logoseum│博語館

Shin Sugawara // 菅原真

第6章│出口設計としての福祉

1. 未成年を徹底的に守る

 エロス・ゲートウェイの最も重要な原則のひとつは、未成年を性愛の領域から完全に排除することである。
 パパ活やトー横に集まる若者たちは、家庭にも学校にも居場所を失い、裏社会に取り込まれている。
 現行制度は「一時保護施設への収容」を繰り返すが、出口がないため再び街に戻ってしまう。
 この悪循環を断ち切るには、ただ排除するのではなく、受け止める場と育む制度が必要だ。


2. 教育と生活の提供

 エロス・ゲートウェイ構想は、未成年を性的現場から徹底的に守りながら、同時に バックヤード労働と無料教育 を組み合わせて受け入れる仕組みを構築する。

  • バックヤード労働:清掃、物流、厨房、受付など、性的要素と完全に切り離された補助業務のみを割り当てる。監査は第三者機関が担い、労働条件や教育内容を定期的に点検する。
  • 無料教育:学校に通えない若者に、基礎学習・職業訓練・生活スキルを無償で提供する。ITリテラシー、語学、接客、調理、清掃管理などを体系的に学べるようにする。
  • 居住と生活支援:安全な宿泊施設と食事を提供し、路上やネットカフェに滞留せざるを得ない状況を解消する。

 これらの制度は、性愛産業の利益から還元される福祉部門として設計されると同時に、現行の労働基準法・児童福祉法を厳守する設計とする。
 さらに監査機関のトップには児童福祉分野で実績を持つトップランナーを指名し、独立性と専門性を両立させる。これにより、未成年が不当に労働力として利用されることを排し、教育と生活支援を中心とした健全な社会的セーフティネットを形成するのである。


3. 成人後の出口

 若者が18歳に達したとき、次の三つの出口が用意される。

  1. 一般就労:学んだスキルを活かし、通常の職業に就く。
  2. 進学・留学:教育を継続し、社会的自立を深める。
  3. ライセンス取得:希望する者は「性愛ウェルネス産業」にライセンス事業主として参入する。

 重要なのは、すべてが本人の意思で選べることだ。
 強制や囲い込みではなく、未来を自ら選択できる出口設計」がここにある。


4. なぜエロス・ゲートウェイでしかできないのか

 行政やNGOも努力しているが、資金力やスケールに限界がある。
 エロス・ゲートウェイは産業として設計されているため、

  • 性愛税による安定財源

  • 特区制度による透明な監督

  • 巨大なスケールでの教育・居住・労働提供

    を可能にする。

 これは「囲い込み」ではなく、出口を設計する唯一の制度的防波堤である。


5. 結論:未成年を守る社会契約

 「囲い込みは悪だ」と言うのは容易い。
 だが出口を示せない批判は、未成年を再び街に放置することと同義である。

 エロス・ゲートウェイは、未成年を性的現場から守り、教育と生活を提供し、成人後に未来を選ぶ力を保障する。
 性愛リゾートが社会資本を生む一方で、その収益が若者の命を守る制度に還元される。
 ここにこそ、新しい社会契約の姿がある。


📑 エロス・ゲートウェイ構想 第一部「思想編」目次