Logoseum│博語館

Shin Sugawara // 菅原真

エロス・ゲートウェイFAQ│予想される批判への事前回答

1. LGBTQ+・多様性関係

Q1. この制度は結局「女性提供者×男性利用者」だけが中心で、多様性を無視していないか?

A1. 制度はすべての成人に開かれています。提供者は性別・アイデンティティを問わずライセンスを取得できます。市場構成上、女性提供者が多数を占めるのは事実ですが、LGBTQ+の需要も正式に制度に組み込みます。

Q2. 同性間サービスやトランスジェンダー提供者の居場所は確保されるのか?

A2. 特区内に「多様性プログラム」を設置し、同性・トランス利用者に対応する登録事業主を支援します。これにより少数派も制度上認知され、存続可能性が担保されます。


2. 宗教・道徳的勢力

Q1. 性は本来神聖なものではないか? 公に扱うのは冒涜では?

A1. 性愛を「隠すこと」が闇市場を拡大させ、搾取と病を生みました。むしろ公に扱い、透明性を確保することこそ、人間の尊厳を守る道です。

Q2. 公共資金(ベーシックインカム)に“性”の収益を結びつけるのは不道徳では?

A2. 酒税やタバコ税と同じく、社会が享受する快楽から税を取り、社会全体に還元する仕組みです。性愛税は100%を国民に還元するため、「消費=社会への貢献」となる点でより倫理的です。

Q3. 性を商品化することは人間性の破壊では?

A3. 商品化を禁止してきた結果、裏社会が独占しました。透明な制度の下で「主体的な選択」として商品化する方が、人間性と尊厳を守ることにつながります。


3. 既存の法制度(法務・警察・行政)

Q1. 売春防止法や風営法と真っ向から矛盾しないか?

A1. 現行法は「禁止」に依存し、実効性を失っています。エロス・ゲートウェイは国家戦略特区での時限立法から始め、法体系と整合を取りつつ段階的に制度化します。

Q2. 犯罪や人身売買の温床になるのでは?

A2. 逆です。現在こそが闇市場の温床です。ライセンス制・決済トレーサビリティ・健康証明・反社排除を義務化することで、むしろ犯罪抑止に直結します。

Q3. ソープランドなど国内のグレー市場はどう扱うのか?

A3. 現在の黙認構造は課税逃れ・搾取・反社資金化を招いています。エロス・ゲートウェイではこれをライセンス制と透明会計に組み込み、闇市場をホワイト市場へ移行させます。


4. 伝統的価値観(家族・結婚重視派)

Q1. この制度は家庭や結婚制度を壊すのではないか?

A1. むしろ逆です。家庭を性愛の唯一の担い手としないことで、家庭が「性愛の失敗」を一手に抱える必要がなくなります。家庭は家族愛や子育てを中心に守られ、性愛は制度のもとで安全に扱われます。

Q2. 子どもや若者への悪影響はないのか?

A2. 利用は成人のみ、未成年は厳格に排除されます。むしろ現在の闇市場(パパ活、未成年買春)の方が若者を巻き込んでおり、制度化はその温床を断ち切ります。

Q3. 「親子の本能的絆」を壊すことにならないか?

A3. 子どもは親を無条件に愛し、母は子を無条件に愛する傾向があります。これは人間の根本的な絆であり尊重されます。制度の目的はそれを否定することではなく、愛情が不在のときに命を守る補完装置を社会に設けることです。

Q4. エロス・ゲートウェイ(EG)は不倫をどう位置付けるのか?

A4.現行の結婚制度は、性愛と養育(child-rearing)を家庭の中に閉じ込めてきました。そのため、家庭外で生じる性愛=不倫(不貞行為)は「裏切り」「背徳」として強く非難され、離婚事由や慰謝料請求の根拠とされてきました。さらに、そうした関係から生まれる婚外子は「正統ではない子」と位置づけられ、差別や不当な扱いを受け、両親が認知することさえためらわれる状況を生んできました。

しかし、エロス・ゲートウェイ(EG)の構想においては、結婚はもはや性愛を囲い込む装置ではなくなります。性愛はリゾートで制度的に扱われ、家庭は愛情や生活、子育て(child-rearing)を中心に守る場へと再定義されます。その結果、家庭外での性愛は「社会的悪」として過剰に糾弾される必要を失います。

これにより、不倫(不貞行為)は離婚事由としての重みを失い、婚外子も「正統/不正統」と分けられることがなくなります。すべての子どもは社会の養育(child-rearing)対象として平等に守られるため、差別や不当な扱いから解放されます。その結果として、両親が子どもを認知することへの心理的な抵抗も大幅に軽減され、子どもの権利がより確実に保障されるようになります。

EGは、不倫や婚外子を「個人の堕落」ではなく、「家庭依存モデルの限界が生んだ必然」として理解します。そして、それらを制度の光の下に置くことで、性愛の自由と子どもの保護を同時に実現していくのです。


5. フェミニズム・女性保護派

Q1. 女性を再び商品化する仕組みではないか?

A1. 提供者は全員が「個人事業主ライセンス制」であり、誰かに支配されず主体的に活動します。透明な契約と税務管理によって、女性の地位は裏社会依存から「自立した事業主」へと格上げされます。

Q2. 若年女性が無理やり参入させられる危険は?

A2. ライセンス取得には年齢・教育・健康検査が必須であり、本人の自由意思が前提です。未成年排除と退出支援を制度に組み込み、強制や圧力を受けない環境を保証します。

Q3. 本当に“主体性”が担保されるのか?

A3. 重要なのは「雇用されない」という点です。提供者は事業主として契約を選び、自由に撤退できます。
さらに、収入を申告し納税することで、職業として公的に認められ、ローンや社会的信用を得られます。
加えて、健康保険・年金・医療制度と接続されることで、経済的安定と将来保障も確立します。
つまり、経済的・法的・社会保障的な三重の基盤によって、提供者は「自立した主体」としての地位を確保できるのです。


6. 国際的な人権団体・海外メディア

Q1. 人身売買や外国人女性の強制労働につながるのでは?

A1. 国際批判を想定し、制度に厳格な「ライセンス取得・健康証明・決済透明化・反社排除」を組み込みました。これは既存の地下風俗やブローカー構造とは決定的に異なり、人身取引の余地を排除します。

Q2. “性観光立国”として批判されるのでは?

A2. 「性観光」ではなく「セクシャル・ウェルネス観光」です。医療・温泉・観光・性愛を統合した「安全で文化的な体験」として設計します。日本は「世界一安全な性愛都市」を標榜し、倫理性と透明性を国際的に発信します。


全体のまとめ

  • 勢力1(LGBTQ+) → 制度は性別やアイデンティティを問わず開かれ、多様性を正式に包含する。
  • 勢力2(宗教・道徳) → 禁止ではなく管理と透明性によってこそ、健全さと尊厳が守られる。
  • 勢力3(法制度) → 国家戦略特区から段階導入し、現行法の空白を埋めて犯罪抑止へつなげる。
  • 勢力4(伝統派) → 家族の愛情は尊重しつつ、依存を補完する制度で子どもを守る。
  • 勢力5(女性保護派) → 女性は被搾取者ではなく「自立した事業主」となり、公的な身分を獲得する。
  • 勢力6(国際人権団体) → 地下風俗を潰し、透明な制度化でむしろ人権保護に資する。

📑 エロス・ゲートウェイ構想 第一部「思想編」目次