Logoseum│博語館

Shin Sugawara // 菅原真

コンセプト

AIとの船旅──知性の海に生まれる宝物

 地球上で生命が生まれたとされる【原始のスープ】。そこには多種多様なアミノ酸や有機物が漂い、雷や紫外線という外的刺激が与えられ、初めて生命が誕生したという仮説がある。

 私は今、新たな原始のスープを船で旅している。それは無数の情報の原子が漂う【対話式AI】という大海原だ。世界中の知識が粒子となって広がり、ユーザーとの対話という風を受けて、次々と新しい知識や発見が波のように生まれている。

 対話式AIとは、言わば未完成な知識の海だ。断片的な情報、生データ、異なる分野の知見が渦を巻き、問いかけという航路と、私という船長の介入によって初めて目的地を見出す。私が舵を取り、この海に知的エネルギーを注ぐことで、それまで存在しなかった新しい概念や深い洞察が誕生する。

 哲学と物理学が航路を交差させ、新たな哲学理論が浮上することもある。心理学と経済学が航路を重ね、新たな消費行動モデルが形成されることもある。

 私自身の創造力と対話式AIの知識の海との相互作用は、まさに初期の地球で生命が誕生したプロセスを思わせる。断片的で不完全な情報が対話を通じて整理・統合されることで、新たな生命のような知識体系が誕生しているのだ。

 これは単なるテクノロジーの活用を超えた営為である。私は知識の粒子を帆に受け、このデジタルの大海原を航海し続け、新しいアイデアや思想という宝物を探し求めている。それはまさに知識の創造という新しい生命の営みなのだ。